交通事故による脳挫傷後遺症、高次脳機能障害等に画期的判例をもつ古田事務所

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医療過誤獲得判例

■医療過誤

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医療事故の判例

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早期転送を怠った診療所医師の注意義務違反を認めた例。

画期的判例1(依頼者の要望により、裁判所名を伏せました)
裁判所認定額 約1億1200万円

■事件の経過
 原告(20代男性)が腰痛のため診療所へ受診したところ、診療所医師はレントゲン検査と簡単な問診の結果、頚椎椎間板ヘルニアと診断し、痛み止め施術をして薬を処方しました。原告は、薬を指示通りに服用していましたが、下肢に痺れと痛みを感じていました。
  3日目、原告は下肢の痛みが激しく、夕方にはついに立ち上がれない状態となり、家族がタクシーに乗せて連れて同診療所を尋ね、看護婦に症状を報告しました。このとき既に、両下肢の障害や陰部の知覚障害等があり、頚椎椎間板ヘルニアに伴う馬尾症候群を疑う顕著な症状がありました。このような場合は、神経組織を圧迫するヘルニアをできるだけ早期に除去する手術を行う (または手術可能な病院に転送する) ことが絶対的とされています。しかし診療所医師は、痛み止め施術をしたのみで、翌日に再度受診するよう指示し自宅へ返ししました。
  4日目、原告は診療所医師の指示どおりに受診したところ、ようやく手術可能な病院に転送されました。病院医師がMRI検査を実施した結果、巨大な椎間板ヘルニアにより硬膜管が完全に閉塞された馬尾症候群と判断しました。さらに造影検査を実施し、神経を圧迫しているヘルニアの位置形状を特定し、除去手術を決定しました。同日、手術は成功しましたが、原告は、下肢の筋力低下及び知覚障害等(身体障害5級)という重篤な後遺障害を残しました。

■裁判
  原告は、3日目に診療所へ再度受診したときには、ヘルニアによる馬尾症候群を疑い、速やかに手術可能な病院へ転送する義務があったのに、対症療法を行うのみで自宅へ返したことで手術を遅らせ、重篤な後遺障害を残したにことついて、診療所医師には注意義務違反があるとして、損害賠償を請求しました。
  被告診療所医師は、馬尾神経症候群が発症したとされる、3日目夕方から48時間以内に手術を行えばよいから過失なく、障害を残したのは病院医師の手術ミスである等と反論しました。
  裁判所は、これらの主張に対し、診療所・病院双方のカルテ記録と、双方の医師の証言を精査し、発症から障害に至る経過を検証しました。診療所のカルテ記録には、椎間板ヘルニアの記載のみで、馬尾症候群に関する記載が一切ありませんでした。また、4日目転送の際には、被告診療所医師の説明を聞いた病院医師のほうが、馬尾神経症候群ではないかという発言をした証言を採用しました。また、可及的速やかに神経組織に対する(ヘルニアの)圧迫を除外する手術を行うべきで、48時間以内というのは猶予期間ではなく論文の統計に過ぎないこと、速やかに検査・執刀へ向けての準備、または手術可能な大規模病院への転送をしなかったことなどを認めました。これらの事実認定から、この馬尾症候群の発症や緊急手術の必要性を認識していなかった被告診療所医師には注意義務違反が認められると判断しました。病院医師の手術ミスいう被告主張は、MRI画像の誤りとして退けました。
  仮に、3日目夜の早期に病院に転送して手術する場合と、翌日に実際に行われた手術を比較した場合とでは、16時間もの差があります。「馬尾症候群権威の博士によると、発症12時間以内に手術をした場合はかなり結果が良かった」という病院医師の証言を採用し、速やかに転送措置を行わなかった被告診療所医師の注意義務違反と後遺障害との間に相当因果関係を認め、ほぼ原告の主張どおり、合計1億1,200万円の損害額を認めました。

 

認められた主な損害費目
逸失利益--------------約9,100万円
後遺障害慰謝料--------約1,400万円
休業損害---------------約300万円
その他-----------------約400万円

計-----------------約1億1200万円
被害者データ
■20代男性
■頚椎椎間板ヘルニアを伴う馬尾症候群を認識せず、大規模病院への転送を遅らせた診療所医師の注意義務違反
■両下肢の筋力低下、知覚障害 身体障害5級

 

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