交通事故による脳挫傷後遺症、高次脳機能障害等に画期的判例をもつ古田事務所

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判例

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農業従事者の不確定な所得を年額437万円と認定

高松高裁 一審高松地裁

一家の大黒柱である63歳の男性が自転車で直進中、普通乗用車に後方から追突されて頚髄損傷、急性硬膜下血腫などの重傷を負い、1級3号の重度後遺障害が残ったというケースです。加害者は飲酒・スピード超過・携帯電話使用という悪質運転だったため、判決では本人に3,000万円、近親者(妻と子2人)に500万円と、通常より高額の慰謝料が認められました。また、不確定な農業所得を年額437万円と認定したことや高裁で高額の住宅改造費が認められたことも評価できるでしょう。

問題になったのは介護についてです。地裁では、「家族介護(週5日)+職業人介護(週2日)」という判断でしたが、高裁では褥創予防のために行う3時間おきの体位交換について、「原告妻の年齢を考慮すると、相当重い」と評価。妻が67歳になるまでは「家族介護(週3日)+職業介護(週4日)」、67歳以降は「全日職業介護人(週7日)」という計算を採用しました。

また、損保側の「余命が短い」「定期金賠償が公平」という主張については、高裁でいずれも否定され、結果的に平均余命を採用した上での一時払いとなりました。裁判で細かな立証活動を行ったことで、当初の損保提示額から約7700万円増額された賠償金を得ることができた好事例です。

被害者データ
■63歳・男性
■自転車で直進中、飲酒の普通乗用車が後方から追突。
■上下肢及び体幹麻痺他1級

認められた主な損害費目 一審 二審
将来介護料-------------約5,400万円 → 約7,200万円
逸失利益---------------約3,100万円 → 約3,100万円
将来雑費---------------約800万円 → 約800万円
住宅改造費-------------約500万円 → 約700万円
慰謝料-----------------約2,800万円 → 約3,000万円
近親者慰謝料-----------約500万円 → 約500万円
その他-----------------約2,200万円 → 約2,400万円
計-----------------約1億2,400万円 → 約1億7,700万円

介護料認定額の内容と移り変わり

・母親が67歳まで

一審地裁 二審地裁
年額384万4,000円
妻8,000円×260日
職業介護人1万6,800円×105日
年額525万5,200円
妻8,500円×156日
職業介護人1万8,800円×209日

・母親が67歳以降

一審地裁 二審地裁
年額520万8,000円
妻(または子)8,000円×105日
職業介護人1万6,800円×260日 約5,400万円
年額686万2,000円
職業介護人1万8,800円×365日
約7,200万円

※認定額増加のポイント
■あいまいになりがちな農業者(及び妻)の就業形態を明確に区分して立証・主張。その結果、逸失基礎の基礎収入年額437万円を認められた。
■介護料の算定にあたり地裁では、妻の介護の負担を過小評価し、別世帯である子の介護をあてにした算定だった。しかし、二審の高裁ではそれらは却下され、原告の主張どおりの内容に。
■飲酒・スピード違反・携帯電話使用等である加害者の一方的過失を主張したことで、本人の後遺症慰謝料3,000万円と認定した。また、妻と成人した子2人の慰謝料500万円が認められた。

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