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信号無視否認の加害者に制裁的慰謝料|死亡|交通事故 弁護士

名古屋地裁管内 (判決)

■死亡事案(判例004)
■後遺障害等級:  確定年:2008年
裁判所認定額 約1億5,000万円
■名古屋地裁管内 (判決)

裁判所認定額 約1億5,000万円

被害者の状況

①45歳・男性(会社社長)
② 妻が運転中の乗用車の後部座席に同乗し、交差点を直進中、普通乗用と衝突。車外放出による全身打撲で死亡。
③ 刑事の一審では有罪判決が下されたが、加害者は自らの無罪を主張して控訴し、判断は高裁に持ち込まれた。しかし、本人が高裁の判決を待たずに死亡したため、一審の有罪判決は確定するという特殊な事情があった。

認められた主な損害費目

逸失利益 8,300万円
本人慰謝料 2,700万円
近親者慰謝料 500万円
葬儀費用 150万円
損害額
1億1,650万円
弁護士費用 1,100万円
遅延損害金(3年6ヶ月相当) 2,250万円
最終金額 1億5,000万円

詳細

加害者の主張

①過失

加害者は交差点で赤信号を無視して事故を起こしたとして起訴されていたが、目撃者がいたにもかかわらず、刑事裁判が始まっても「自分は青信号だった」と徹底的に否認。民事裁判でも「青信号」を強く主張し、有無責の判断についての争いが続いていた。また、「被害者は後席シートベルトをしていなかった」として、被告側は原告側にも過失があると主張(ただし、事故当時は後席シートベルトの着用が義務化されていなかった)。

②逸失利益

被害者は会社社長だったため、被告側は「年収のうち利益分配分が含まれる役員報酬は減額すべき」と主張。

裁判所の判断

①過失と慰謝料

当事務所は、まず事故状況について入念に検証し、原告側に過失はなかったことを立証。さらに、加害者が反省もせず不誠実な態度を取り続けたことを慰謝料の増額事由として強調した結果、標準的には2,800万円のところ、制裁的な慰謝料も含め、計3,200万円という高額を認めさせることに成功した。

②逸失利益

逸失利益についても相手側による減額主張に対して徹底反論をおこない、遅延損害金も含め、1億5,000万円という高額の賠償を勝ち取ることができた。

当事務所のコメント

①制裁的慰謝料について

・被害者には当時中学生の子供が2人おり、この事故が家族に与えた精神的ショックや将来への影響の大きさは計り知れないものがあった。そうした現状を丁寧に主張した結果、本人慰謝料2,700万円、家族慰謝料総額500万円という高額な慰謝料が認められた。
・信号の色は有無責の判断に関わる重大な事実である。自らの信号無視が悲惨な事故を引き起こしたにもかかわらず、その事実を認めず、否認し続けた加害者に対し制裁的な慰謝料を求めたことは妥当だといえるだろう。

②賠償額について

当方の主張を全面的に認め、総額1億5,000万円という死亡事故では極めて高額な判決となった。