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30代主婦の死亡事故について子育てをしつつ、就労も継続していくものであったとして基礎収入を女性学歴計全年齢平均賃金とし、また生活費控除率も3割と認定、総額約9,800万円を獲得した裁判例

千葉地方裁判所管内

■死亡事案(判例019)
■確定年:2014年判決
■千葉地方裁判所管内

被害者の状況

①31歳・女性(兼業主婦)
受傷時31歳 女性 兼業主婦
センターオーバーをして対向車線に進入した加害車両が、被害者家族が乗車する被害車両に衝突したもの
死亡

認められた主な損害費目

死亡逸失利益

約4,400万円

葬儀費用

約150万円

本人慰謝料

約2,500万円

近親者慰謝料

約600万円

損害額

約7650万円

弁護士費用

約750万円

遅延損害金(※1)

約1,400万円

最終賠償額

9,800万円

  ※1事故日から最終受領日までの遅延損害金(年率5%)
※2本件では、被害者とその父の損害賠償請求事件に先行して被害者の母の死亡損害についても当事務所で判決を獲得していました。

詳細

加害者の主張

①被害者は、実収入があり、当時31歳であったことから死亡逸失利益の基礎収入は、実収入額にとどめるべきであると主張
②居眠り運転は飲酒や速度超過のような故意によるものではないから慰謝料増額事由にはならないと主張

裁判所の判断

①確かに、被害者は実収入を得ていたが、まだ保育園に採用されて初年度であったことから、金額は低額にとどまってしまうのが一般的であるため、67歳までの36年間の就労期間中には相当程度の増収が見込まれる上、まだ幼い子供の世話を含めた家事全般を行っていくはずであったことを考慮して、実収入額以上の賃金センサス女性学歴計全年齢平均賃金を基礎収入として認定するとともに、生活費控除率も3割にとどめ、約4,400万円の逸失利益を認定した。
②加害者の居眠り運転は一方的な過失であり、幼い子供を残して亡くなったことや、家族らの悲しみも大きいとして、加害者の主張を斥けて慰謝料増額事由を認めた。
③その結果、裁判所は、約7,000万円の損害を認定し、弁護士費用・遅延損害金等を合わせて最終的に約9,800万円の賠償となりました。

当事務所のコメント

本件は極めて重大な事故で、母親である被害者とそのご子息が最終的に亡くなられてしまいました。本件訴訟は、ご子息がご生存中に判決を獲得したものとなります。
争点となった収入面について、勤務していた地域の保育士の一般的な収入状況を含めた資料を提出し、直前の収入が低額にとどめられており、今後、増収する可能性があることを十分に立証したことで、実収入額以上の平均賃金を基礎収入として採用されました。特に若年者以外の場合は、原則論として実収入額をベースに考えることが一般的であるので、この点は、しっかりと証拠による立証を行ったことによる認定と考えられます。
また、慰謝料についても、加害者の主張は認められず、やはり居眠り運転という非常に危険な態様であり、被害者側には何らの過失もなかったことは、慰謝料増額事由として認められました。
上記のような認定の結果、9,000万円以上の高額賠償を獲得することができ、少しでもご家族の苦しみに対する適正な認定・賠償を受けるお手伝いができたものと考えております。

- 引用 -

30代主婦の死亡事故について子育てをしつつ、就労も継続していくものであったとして基礎収入を女性学歴計全年齢平均賃金とし、また生活費控除率も3割と認定、総額約9,800万円を獲得した裁判例