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11歳少年高次脳機能障害3級に高額介護料|交通事故 弁護士

名古屋地裁管内

■高次脳機能障害(判例014)
■後遺障害等級:3級
併合2級 確定年:2006年
■名古屋地裁管内

被害者の状況

①11歳・男児
② 青信号にしたがって交差点を横断中、信号無視の貨物自動車にはねられた。
③ 脳挫傷、びまん性軸策損傷などの重傷を負い、高次脳機能障害3級に認定。及び、右腸骨変形12級で併合2級。
④ 子どもは“学校”という保護された場所にいることや、通常は親による世話や家庭教育がおこなわれること、また成長とともに回復の期待もあるため、「子どもの高次脳機能障害と介護」をどのようにとらえるか、ということが難しい争点になった。

認められた主な損害費目

逸失利益 約7,200万円
将来介護料 約2,700万円
後遺障害慰謝料 約2,700万円
その他 約1,000万円
約1億3,600万円

過失相殺なし

詳細

加害者の主張

①自賠責では後遺障害等級が2級以上でなければ介護を認めないので、高次脳機能障害3級ならば将来介護料の必要なし。そもそも子供に「介護」が必要か?

②子供の場合、逸失利益の基礎収入は平均賃金より下げるべき。

裁判所の判断

①将来介護料については3級であっても介護が必要であることにつき多くの文献を提出したところ、当事務所の主張どおり、親が67歳になるまでは家族介護日額3,000円×365日、親が67歳以降原告の余命までは職業介護人日額6,000円×365日が認定された。

②逸失利益については、全年齢平均賃金560万円を基礎収入として、18歳から67歳までの49年間、100%労働能力を喪失したものとして認定された。

③慰謝料については、「赤信号無視」という加害者の過失の重大さ等を考慮し、2,700万円の高額が認定された。

当事務所のコメント

①不確定な要素も少なからずあった裁判だったが、実際の親子の介護実態をかんがみて3級の障害でも介護費用が認められた。

②子供の高次脳機能障害の立証には、家族、医師、学校の先生の三者の協力が必要なところ、通院していた子供療育センターの医師や、「障害が残存していて、成人してからも周囲の温かい見守りが必要」といった内容の中学校の先生による意見書提出も効果的だった。極めて妥当な判断だったと評価できるだろう。