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外観で分からない前頭葉症状を立証|高次脳|交通事故 弁護士

大阪地裁管内

■高次脳機能障害(判例026)
■後遺障害等級:2級 確定年:2007年
裁判所認定額 約1億8500万円
■大阪地裁管内

裁判所認定額 約1億8500万円

被害者の状況

①18歳・男性(専門学校生)
② 深夜、片側一車線の直進道路を被害者が自転車で走行中、後方から来た普通乗用車に追突された。
③ 外傷性脳内出血、脳挫傷、頭蓋骨骨折などの重傷を負い、高次脳機能障害2級。
④ 被害者は事故後も複雑なテレビゲームに興じ、作業所では軽作業をこなし、デイサービス施設では、リハビリを兼ねてボランティアスタッフとして働いていたため、医師やリハビリに関わった言語聴覚士らの中には、「障害の程度が軽い」と誤解した人もいた。そのため、そうした診断に基づくカルテ等の医療記録も多数出ていた。

認められた主な損害費目

逸失利益 約9,000万円
将来介護料 約5,200万円
後遺症害慰謝料 約2,300万円
近親者慰謝料 約200万円
治療費等 約1,000万円
その他 約800万円
約1億8500万円

詳細

加害者の主張

①自転車が無灯火で反対車線を走行していたため、被害者側にも過失あり。

②労働能力喪失率は「障害の程度が軽い」ため2級であっても100%ではない。

③高次脳2級で、日常の生活を見ても健常者と遜色がないため、介護の必要性はない(この主張に沿う医学意見書などが提出されていた)。

裁判所の判断

①本件の加害者は事故の数時間前に缶ビール1本を飲み、20km/hの速度オーバーをしながらわき見運転をし、さらに衝突するまで自転車に気づいていなかったことから、裁判所は「被告の運転態様は極めて危険なもの」と指摘し、被告に100%の過失を認めた。

②この事故により開頭手術・低体温療法などを受けていた被害者は意識レベルが低下していたが、ヘルパー職を退職して息子のために献身的な介護をしてくれた母親のおかげで、約2年後、作業所に通って軽作業がこなせるまでに回復した。しかし、まだらな状態の障害は残っており、声かけや監視がないと予定通りの行動が出来ない、目的地まで1人で移動できないといった状況だったことから、当事務所は、見守りや付添いの必要性、またてんかん発作予防の投薬管理等について、日常動作のひとつひとつを立証するとともに、母親が元のヘルパー職に戻り、自立した生計が営めるよう職業介護を含め、将来介護料を請求した。

③その結果、判決では、労働能力喪失率を100%と認めるとともに、母親が67歳になるまでの平日は日額8,000円、休日は日額6,000円を、母親が67歳以降は日額8,000円の将来介護料(総額約5,200万円)を認め、総額約1億8,500万円の損害額が認定された。

当事務所のコメント

①前頭葉症状を示す患者は、知能検査では顕著な障害が現れないケースが少なくない。本件被害者の症状も例にもれず、実際にかかわった医療関係者でさえ誤認してしまうほどわかりづらい障害だった。しかし、当事務所はあきらめずに、専門医の意見書2通、作業所とデイサービスの施設長からの陳述書、母親の詳細な陳述書などを提出。それぞれに尋問も実施した結果、労働能力喪失率は100%で、介護が必要であることが正しく認定された。

②本件のような場合、家族及び医師に加えて、第三者である作業所等の関係者の証言が重要であり、それを証拠化したのが効果的であった。

③外からは見えづらい被害者の障害の重さを正しく認識していた主治医が「僕みたいにずーっと継続して診察していたら別だけれど、あの子の障害は何回か診察した程度だったらわからないからね」と発した言葉が印象的だった。