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日常をビデオ撮影し介護の過酷さを立証|高次脳機能障害|交通事故

甲府地裁管内(和解)

■高次脳機能障害(判例034)
■後遺障害等級:2級 確定年:2008年
裁判所認定額 約8,500万円
■甲府地裁管内(和解)

裁判所認定額 約8,500万円

被害者の状況

①55歳・男性(郵便配達アルバイト兼貴金属加工)
②原付バイクで配達中、信号のない交差点で普通乗用車と出合い頭の衝突。
③脳挫傷による高次脳機能障害、2級

認められた主な損害費目

将来介護料 約6,200万円
逸失利益 約3,000万円
住宅改造費 約600万円
後遺障害慰謝料 約3,000万円
その他 約1,300万円
総損害額
約1億4,100万円
過失30%控除後損害額 約9,900万円
近親者慰謝料 約500万円
調整金※ 約1,400万円
総計 約1億1,800万円
既払控除 ▲約3,300万円
最終金額 約8,500万円

(※弁護士費用及び遅延損害金相当額)

詳細

加害者の主張

①現場の交差点の道路は被害者側のほうが狭いため、被害者の過失は50%を下らない。

②将来介護料は日額5000円で足りる。

裁判所の判断

①当事務所が現場調査を入念に行った結果、相手にも相当な速度違反があったことを立証でき、その結果、原告側の過失は30%と認められた。

②被害者は高次脳機能障害を負っていたが、伝い歩きや食事などはできていた。しかし、全てを自らの意思で行動しているとは認め難い状況で、実際には生活全般にわたって妻と娘による家族介護が必要だった。そこで当事務所は介護における家族の困難さを立証するため、被害者の日常生活をビデオで撮影し、法廷に証拠として提出。その上で、後遺障害等級は2級でありながら、実際は限りなく1級に近い重度の障害であることを主張した。

③その結果、裁判所は「随時介護の範囲を超えた介護が必要である」と判断。和解でありながら、職業介護日額1万3,000円、家族介護日額8,000円を認め、さらに2級の高次脳機能障害者に対して、後遺障害慰謝料3,000万円、家族慰謝料560万円という高額を認めた。

当事務所のコメント

①過失割合でたとえ不利な状況にあっても、決してあきらめずに徹底的な現場調査を行うこと。本件もそうした行動によって、過失割合の逆転に成功した。

②高次脳機能障害者の場合、介護の実態には個人差があるが、本件の場合、被害者の日常生活をビデオで撮影したことにより、裁判官に現実の過酷さを具体的に伝えることができた。

③本件は事故発生から解決までに約4年という歳月が経過し、被害者とご家族は大変苦労されていたが、当事務所が緻密な立証を行った結果、高額な将来介護料や慰謝料、さらには判決にも劣らない弁護士費用と遅延損害金(20%)につながり大変ご満足いただくことができた。