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病識ない高次脳機能障害者の介護実態を立証|交通事故 弁護士

横浜地裁管内 (和解

被害者の状況

①21歳・男性(アルバイト)
② 運転していた友人がハンドル操作を誤り、路外の信号柱に激突。そのはずみでこの車の助手席に同乗中だった被害者が脳に大きなダメージを負ったという事故でした。被告が運転する車に同乗中、自損事故に遭い受傷
③ 脳外傷による高次脳機能障害2級
④ 高次脳機能障害を負った被害者は事故後、人格変化の影響で暴れるなど生活能力をなくしており、仕事を辞めて介護に当たっていた母親を始めとする家族での見守りや介護に大きな負担が生じていた。しかし、被害者自身は自己認識を欠いていたため、自分ではなんでもできると思いこんでおり、病院でもそのように話をしていた。

認められた主な損害費目

将来介護料

約8,400万円

付添介護料(症状固定前)

約900万円

逸失利益

約9,600万円

休業損害

約900万円

傷害慰謝料

約250万円

後遺障害慰謝料

約2,300万円

その他

約650万円

損害額

約2億3,000万円

過失5%控除後損害額

約2億1,800万円

近親者慰謝料

約200万円

調整金※

約8,200万円

総計

約3億200万円

既払控除(任意)

-約1,500万円

既払控除(自賠責)

-約3,000万円

最終金額

約2億5,700万円

 

(※弁護士費用及び遅延損害金相当額)

詳細

加害者の主張

①被害者は事故時にシートベルトを着用していなかったため、被害者にも10%の過失がある。

②被害者には相当の生活能力が残っているので、高額な将来介護料は必要ない。

裁判所の判断

①過失割合について、裁判所は結果的に5%の過失と認定した。相殺された5%分については、裁判終了後、人身傷害保険によって相当程度が補填されている。

②将来介護料について当事務所は主治医に対して照会を行い、高次脳機能障害者本人が病識のないために、実際にはできていないことでも自分でできたように話してしまうことが十分ありうることを主張するとともに、母親の詳細な尋問を行って被害者の事故後の実態を丁寧に立証した。

③その結果、裁判所は、事故前にはフルタイムで就労していた母親の復職を前提に、職業介護人1万4,000円(年間240日)、家族介護8,000円(年間125日)、母親67歳以降は1万4,000円(365日)という、2級としては高額な将来介護料を認めた。結果的に相手側の提示額の2倍を上回る金額が認められ、和解でありながらほぼ判決と同額の2級では極めて高額な2億5,700万円という賠償を得ることができた。

当事務所のコメント

①将来介護料について激しい争いがあった事案だが、実際の被害者の状態と介護の必要性について、主治医からの意見と母親の詳細な尋問で立証したことが、裁判所の判断に大きな影響を与えたと言える。

②被害者の母親も就労せざるを得ない経済的事情があり、職業介護料を獲得できたことによって復職の道が開けた。ご家族には大変ご満足いただけた事例である。