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高次脳機能障害2級小児について将来介護費日額8,000円、近親者67歳以降は日額1万2,000円が認められた事案

東京地裁管内

被害者の状況

①9歳・男児
受傷時9歳・症状固定時11歳・男性 道路を横断中の被害者に右方から直進してきた加害車両が衝突したもの 高次脳機能障害2級

認められた主な損害費目

逸失利益

約6,700万円

将来介護費(近親者67歳まで日額8,000円)

約4,400万円

将来介護費(近親者67歳以降日額12,000円)

約1,800万円

傷害慰謝料

約400万円

後遺障害慰謝料

約2,500万円

その他

約1,200万円

損害総額

17,000万円

過失相殺(15%)

-約2,550万円

損害填補(任意)

-約700万円

損害填補(自賠責)

-約3,000万円

損害填補(人身傷害保険金充当分)(※2)

-約4,250万円

近親者慰謝料

約500万円

調整金(※1)

約1,100万円

最終金額

8,100万円

※1遅延損害金、弁護士費用等を含める。
※2本件では、訴外獲得の自賠責保険金約3,000円、人身傷害保険金約6,800円(本件では人身傷害保険金はまず自己過失分の約2,550万円に充当され、加害者賠償額への填補はその残余約4,250万円)を合わせて最終総額は約1億7,900万円となった。

詳細

加害者の主張

①日常生活動作は自立しており、一人でバス通学が出来ていること、サッカーが行えていることなどを指摘して、3級に近い後遺障害しか残存していないとして、介護料は日額2,000円程度であると主張
②被害児童が幹線道路に飛び出してきたものであり、予見可能性がないとして加害者に過失はない(免責)と主張。仮に過失があるとしても、35%以上の過失相殺がなされるべきであると主張。

裁判所の判断

①当方は、高次脳機能障害が多彩な認知障害や、行動障害、人格変化が問題となる後遺障害であり、食事や歩行といった日常生活動作(ADL)自体が行えても、これと関連した自己管理を含めた日常生活関連動作(IADL)を含めた自立はできないという点が、生活を自立していく上で大きな支障となるということを丁寧に裁判所に対しても主張した。その上で、被害者には、高次脳機能障害の専門医の所見や、リハビリ記録等に照らしても、社会生活適応能力が著しく低下しており、「見守り」「声掛け」が必要であること、さらに身体的にも、身体が意図せず震えてしまうなど相当程度の障害が残存していることを指摘して自賠責通りの高次脳機能障害2級であること及び随時介護の必要性を立証した。
その結果、裁判所和解案でも、後遺障害を2級相当と認め、近親者が67歳になるまでは、日額8,000円、以降は職業介護人に委ねる必要もあるとして日額1万2,000円の将来介護費が認められ、加害者の主張を退けた。
②突如被害者が飛び出してきたとの主張に対し、衝突地点が第二車線の中央付近であること等の位置関係や、速度から突然飛び出してきたという状況ではなく、被害者の横断開始を加害者が見落としていたものと指摘した。裁判所和解案では、基本的な道路横断事案の過失相殺率が採用され、被害者の過失は15%に留められた。
③訴訟に先行して獲得した人身傷害保険金、自賠責保険金を合わせて獲得総額は裁判所に認定した損害額を上回る約1億7,900万円となった。

当事務所のコメント

①被害者が一人でバス通学をしていたり、サッカーを行っているということはともすれば後遺障害の程度が低く評価される不利な事情となるため、訴訟においても、非常に厳しい状況に立たされます。しかしながら、当事務所では、一番問題となる点は、社会日常生活を自立して行うことができるのか、介護はどの程度必要なのかという点であるとして、リハビリ記録や専門医の見解等に基づいて適正な介護料の認定を勝ち取りました。
また、通学やスポーツについても、健常者との差異等を指摘して、加害者側の主張を退けています。
②飛び出し事案であるとして、加害者は強く過失割合を争いました。実況見分に立ち会った第三者も「飛び出し」という表現を使っていることが指摘されましたが、現場の具体的な位置関係などから、加害者にも道路横断者の発見が遅れた重大な見落としがあるとの当方の主張も採用され、結果として過失は15%に留めることができました。
被害者が重度障害を負われた事案では、刑事記録には被害者の認識は反映されていません。そのため、刑事記録上の記載のみを信用するのではなく、記載内容からさらに一歩踏み込んだ検討が重要となってきます。

- 引用 -

高次脳機能障害2級小児について将来介護費日額8,000円、近親者67歳以降は日額1万2,000円が認められた事案