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高次脳5級の被害者について総額約1億1,500万円を獲得

横浜地方裁判所管轄内

■高次脳機能障害(判例141)
■後遺障害等級:5級 確定年:2014年 和解
■横浜地方裁判所管轄内

被害者の状況

①16歳・男性(高校生)
男性 高校生(事故時16歳、症状固定時18歳)
交差点における自転車(被害者)と自動車(加害者)の直進車同士の事故
高次脳機能障害5級

認められた主な損害費目

傷害慰謝料

200万円

逸失利益

約7,560万円

将来介護料

約1,385万円

後遺障害慰謝料

1,400万円

その他

約475万円

損害額

約1億1,020万円

過失50%控除

-約5,510万円

任意保険金控除

  -約30万円

自賠責保険金控除

-1,574万円

*1)調整金

約1,090万円

最終金額

約5,000万円

*1)調整金とは,弁護士費用,遅延損害金相当
*2)自賠責保険金約1,574万円、人身傷害保険金5,000万円を加えて,総額約1億1,574万円を獲得した。

詳細

加害者の主張

①原告は、非優先道路を走行し、一時停止規制があるにも関わらず一時停止することなく、また、自転車で右側を通行して、交叉する優先道路に進入したものであるから、少なくとも60%の過失が認められる。
②原告は、食事、入浴等が自立し、さらにはコンビニでの買い物、家ではゲームをする等生活も自立していることから、介護が必要であるとは認められない(将来介護料否定)。

裁判所の判断

①本件事故が夜間であり、自転車(原告)の側から前照灯を点灯した四輪車(被告)の発見が容易であったこと、他方、被告の側に15㎞以上の速度超過が伺われることから、原告の過失を基準通り50%とするのが相当である。
②高次脳機能障害に伴う易怒性等の人格変化によって、日常生活を送る上で種々の問題が生じており、そのような原告の看視・声掛けを行わなければならない家族の将来付添費用について、日額2,000円としてこれを認めるが相当である。

当事務所のコメント/ポイント

1概要
本件は、高次脳機能障害5級の被害者に日額2,000円の将来介護料が認定されるなど、結果として、総額約1億1,500万円という高額解決をした事案である。
2人身傷害保険について
ここでは、人身傷害保険について触れておきたい。
本件は、原告側の過失も小さくない事案であり、裁判所も原告50%の過失を認定した。しかし、本件では、被害者自身が契約・加入していた自動車保険に付帯していた人身傷害保険から人身傷害保険金5,000万円を受け取ることによって、その過失50%分(約5,510万円)をほぼ全額埋めることができた。もし交通事故被害に遭われた方で、自身にも過失がある方がいる場合には、自身が加入しておられる保険の内容を一度確認することをお勧めしたい。人身傷害保険が使用できる場合には、人身損害に係る自己の過失分を埋めることが可能である。
3被害者に遭われた方に向けて
本件の被害者は,事故から裁判まで4年ほどの時間がかかりましたが,被害者の両親が,事故直後から,高次脳機能障害による人格変化や出来事をずっと記録していました。両親は,その記録がのちの裁判において非常に役に立ちましたということをおっしゃっていた。
高次脳機能障害を含め,重度の後遺障害を負われた方の場合,最終的な解決までに数年以上要することが珍しくありません。そうすると,いざ,裁判を始めたときには事故直後の高次脳機能障害の症状を忘れてしまっているということが往々にして起こり得ます。
そこで,被害者のご家族の方におかれまして,是非,事故直後から,被害者の方の症状などについて,メモで構わないので,記録に残すことを心がけてください。

- 引用 -

高次脳5級の被害者について総額約1億1,500万円を獲得