交通事故での弁護士相談|高次脳機能障害でお悩みの方へ

ご相談はこちら

信号の色(過失)が争いとなるも,弁護士交代によって逆転勝利

さいたま地方裁判所管轄内

■高次脳機能障害(判例145)
■後遺障害等級:3級、併合1級 確定年:2015年 和解
■さいたま地方裁判所管轄内

被害者の状況

①19歳・男性(アルバイト)
男性 当時アルバイト 受傷時19歳 症状固定時21歳
原付バイクで交差点を直進中,左方から直進してきた被告車両に衝突される
高次脳機能障害3級等併合1級

認められた主な損害費目

休業損害

約130万円

逸失利益

約9,400万円

将来介護料

約6,890万円

傷害慰謝料

約200万円

後遺障害慰謝料

約2,370万円

その他

約400万円

損害額

約1億9,410万円

過失相殺30%控除

約1億3,590万円

自賠責保険金控除

-約2,590万円

*1)調整金

約2,000万円

最終金額

1億3,000万円

*1)調整金とは,弁護士費用,遅延損害金相当
*2)自賠責保険金2,590万円を加えて,総額1億5,590万円を獲得した。

詳細

加害者の主張

①車両の破損状況からよれば,事故当時の原告車両の速度は時速40㎞を下回らない。そして,原告側の信号は押しボタン式になっているのであるから,ボタンを押してから10m足らずで原付バイクが時速40㎞まで加速できることはあり得ない。したがって,原告はボタンを押さずに赤信号で進入している。青信号に従って進行していた被告に過失はないから,被告に賠償責任は認められない。
②事故当時の原告の年収は100万円にも満たず,平均賃金の半分にも及ばない収入しかなかった。したがって,平均賃金を基礎収入として逸失利益を認めることはできない。
③原告の介護は,身体的介護を伴わず,声かけ・見守りにとどまるものであるから,将来介護料は日額3,000円とするのが相当である。

裁判所の判断

①原告は意識回復後一貫して「青信号だった」と述べていること,夜間で原告から被告車両の(ライトの)存在は容易に認識可能であったこと等を考慮すれば,原告が赤信号で進入したものと認定することはできない(原告3割,被告7割)。
②若年労働者であった原告の将来の可能性に鑑みれば,全年齢平均賃金(約526万円)を基礎収入とするのを相当とする。
③見守り・看視という高次脳機能障害特有の介護について,身体的介護にも勝るとも劣らぬ負担が伴うことを立証した結果,裁判所は,日額1万円の将来介護料を認めた。

当事務所のコメント/ポイント

被告からは,原告が赤信号で進入したと主張されたが,当事務所において,原告車両の速度や被告車両のライト視認状況について工学鑑定も交えながら立証したことによって,被告の主張を覆した結果,原告の過失を30%に抑えることに成功し,総額約1億5,000万円(自賠責保険金込)の賠償金を獲得することができた。賠償額そのものについても,逸失利益が原告の請求通り満額約9,400万円が認められ,将来介護料が日額1万円と高額になるなど,原告の請求が概ね認められた事案である。
また,本件において特筆すべきは,弁護士交代の結果,逆転勝訴となり,依頼者の方に大変喜んでいただけた点である。前任弁護士は,被害者赤信号であるとの相手方の主張を鵜呑みにし,請求はできませんと断言した。それに困惑した依頼者が当事務所を訪れ,お手伝いすることになった。
加えて,依頼者は,前任の弁護士から高額な弁護士費用(約540万円)を請求され支払っていたため,それを不当とし,その返還請求をサポートした結果,弁護士費用300万円が返還された。
当事務所は,弁護士交代事案を月数件受けており、専門的な知見からアドバイス,活動を行い,その都度満足いただける結果を出している。

- 引用 -

信号の色(過失)が争いとなるも,弁護士交代によって逆転勝利