交通事故での弁護士相談|高次脳機能障害でお悩みの方へ

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被害者のADL自立を根拠として高次脳3級を争う加害者側の主張を退けて自賠責認定通りの等級を認めさせ,総獲得額約1億7,620万円を勝ち取った例。

東京高等裁判所管轄内

被害者の状況

①9歳・男児(小学生)
男性 受傷時9歳 小学生 被告がトラックを運転して県営住宅敷地内道路を走行中,同敷地内道路を横断歩行していた原告に衝突した。 脳外傷による高次脳機能障害3級3号

認められた主な損害費目

付添介護料

約760万円

逸失利益

約7,180万円

将来介護料

約2,810万円

傷害慰謝料

約230万円

後遺障害慰謝料

約1,990万円

その他

約100万円

損害額

約1億3,070万円

*1過失15%控除
控除後

-約1,960万円
約1億1,110万円

自賠責保険金控除

-約2,219万円

既払い保険金控除(任意)

-約90万円

人身傷害保険金控除

-約1,040万円

*2調整金

約4,640万円

*3最終金額

約1億2,400万円

*1過失相殺分は人身傷害保険金から塡補され,実質無関係。
*2調整金とは,弁護士費用,遅延損害金相当。
*3自賠責保険金2,219万円,人身傷害保険金約3,000万円を加えた総受取額は約1億7,620万円である。

詳細

加害者の主張

①本件事故は住宅街における道路上を歩行横断していた原告と,被告自動車との衝突事故であるから,原告には20%の過失相殺をすべきである。
②原告は事故後もADL(日常生活動作)は全部自立している上,小学校から中学校へと進学して通学し,さらには通信制高校サポート校(民間)での学習指導も受けていた。このように,仮に原告に高次脳機能障害があるにしても影響の度合いは低いのだから,原告の高次脳機能障害の程度(等級)はせいぜい9級であるし,将来の付添介護は不要である。

・原告の反論

①事故現場付近は住宅が立ち並ぶ場所にあったことも考慮すれば,原告の過失は高くても15%にしかならない。
②原告は高次脳機能障害のため注意障害,記憶障害,遂行機能障害,感情コントロール能力の低下,易疲労性などの症状が顕著になってしまい,本来成長に従って身につけるべき能力が身につけられないために知能も経時的に低下が見られる現状である。このため,事故後は小学校~中学校と数多くのトラブルを起こし,中学校レベルの高度な学習になるとついていけない状態となり,特別支援学級への転入を余儀なくされた。もちろん通常の高校にも進学できず,保護者の送迎で個別指導(集団行動を求められない。)の民間サポート校へ通うことにより辛うじて学業を維持している限度に過ぎない。こうした事情ことからも原告の高次脳機能障害は重く,将来的に就労不可能であることは明白であるのだから,原告の高次脳機能障害の程度はまさしく3級相当であるし,将来にわたり介護が必要である。

・最終的にこれら2点について原告の主張に沿った内容での和解が成立。将来介護料は日額4,000円で算定した。

当事務所のコメント/ポイント

交通事故による高次脳機能障害について,自賠責保険で認定された等級を加害者側弁護士が争ってくる事態はしばしば見られるところである。この事例では,自賠責保険による3級の認定に対し,相手側から「原告は事故後も学校へ通学している。実際の等級はもっと軽く,9級程度であり,介護はもちろん不要である」という反論がなされた。そこで我々において,高次脳機能障害に起因する症状の特徴について丁寧に解説し,被告からの反論に対して全て的確な指摘・説明を行った結果,裁判所も自賠責保険の認定が適正であることを認め,相手側の主張を全面的に排斥した。
このように相手側の主張を退けることのできた理由として,本件では特に,我々と被害者両親との全面的な協力の下,被害者が通学していた中学校の教諭や民間サポート校の担当者から詳しい事情を聴取する協力を得られたところが大きい。このように我々と被害者ご家族との間で綿密な協力関係の下に行動することは,本件のように大きな成果を出す上では大変重要なものと言える。
加えて被害者家族がかけていた人身傷害保険金も適切に請求した結果,過失相殺分が適切に補填され,総取得額は自賠責保険金及び人身傷害保険金を併せて約1億7,620万円と,高次脳3級として高額な成果になった。

- 引用 -

被害者のADL自立を根拠として高次脳3級を争う加害者側の主張を退けて自賠責認定通りの等級を認めさせ,総獲得額約1億7,620万円を勝ち取った例。