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20代大学生男子・高次脳5級の被害者について総額1億円を超える賠償金を獲得した和解事例

横浜地裁管内

■高次脳機能障害(判例179)
■後遺障害等級:5級、併合4級 確定年:2017年 和解
■横浜地裁管内

被害者の状況

①20歳・男性(大学生)
事故時20歳 固定時22歳 男性 大学生
加害車両が右折時に一時停止義務を怠ったため、直進してきた被害原付バイクに衝突したもの
高次脳5級、鎖骨変形12級他 併合4級

認められた主な損害費目

逸失利益

約9,050万円

傷害慰謝料

約260万円

後遺障害慰謝料

約1,670万円

入院付添費

約60万円

その他

約500万円

損害合計

約1億1,540万円

過失相殺 25%(※3)

-約2,900万円

任意保険

-約190万円

自賠責(※2)

-約1,790万円

調整金(※1)

約1,340万円

総額

約8,000万円

  ※1遅延損害金、弁護士費用等を含む
※2・3 当事務所で請求手続きを行った自賠責保険金や約1,790万円のほか、
訴訟後に、人身傷害保険に対しても請求を行い、過失相殺された約2,900万円
の損害についても確保を行った結果、総額で1億2,000万円を超える賠償金を
獲得した。

詳細

加害者側の主張

① 被害者の原動機付自転車について損壊状況等から時速60km近く出ていたとして、過失相殺について55%を主張

② 神経心理学的検査の結果などをカルテから引用し、被害者の高次脳機能障害の程度は9級以下である等として後遺障害等級や労働能力喪失率を争った

裁判所の判断

① 当方からも、刑事記録の内容を精査し、タイヤの痕跡等といった客観的な資料や衝突状況等から被告主張が立証されていないこと等を積極的に論証した。その結果、裁判所和解案では、過失相殺率は25%の限度に留められた。

② 医学的知見や、具体的な職場の評価などを含めて被害者の障害内容やこれによってどれだけの困難が生じている、今後危惧されるかといった点について詳論した。その結果、裁判所和解案では、高次脳機能障害5級を維持した内容での判断が示された。

当事務所のコメント

① 過失相殺率については、示談交渉段階から様々な議論が起こりえるところですが、 示談であれば、裁判であれ、刑事記録のとくに客観的な資料について精査をすることが、相手の主張を排斥する上で重要なポイントになります。今回の例では、加害者側の速度計算の手法自体に前提とする条件などに無理があることを、裁判所にもわかりやすく説明を行ったことで、相手の主張が排斥された例となります。

② 高次脳機能障害5~9級は障害の存否や程度の認定が、医師でも難しい点があり、特に裁判ではこの点をカルテの内容(回復していっている様子や検査のスコア)などを引用して相手から等級や労働能力喪失率を争われることが多くのケースで見られます。
当事務所では、等級認定の時点から積極的に医療記録にも目を通して、ご家族や医療関係者からも聴取を行っていくケースが多く、そのため、より被害者の障害状況を詳細に把握した上で、相手の主張に有効な反論を行い、被害者の方の障害の実像をしっかりと裁判所の理解を得て、適正な賠償を実現してきた経験があります。今回の事例は、ご家族や職場でのご様子についても把握して、これを詳細に伝えていったことで、等級を争われながらも、高次脳5級の自賠認定どおりの判断を得られました。

本件は、常に被害者ご本人とご家族の現実の支障をしっかりと認定に反映させるように尽力をしてきた当事務所の経験が活かされた好例と言えます。