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板前の手首機能障害12級、逸失利益全期間を認定|交通事故

東京地裁管内 (和解)

■上下肢切断・機能障害他(判例007)
■後遺障害等級:12級併合12級 確定年:2009年
■東京地裁管内 (和解)

被害者の状況

①24歳・男性(住み込み板前)
② 手首の機能障害、12級

認められた主な損害費目

逸失利益 約1,050万円
休業損害 約370万円
傷害慰謝料 約260万円
後遺障害慰謝料 約290万円
その他 約260万円
損害額
約2,230万円
過失10%控除後損害額 約2,010万円
調整金※ 約140万円
総計
約2,150万円
既払控除(自賠責)
▲約220万円
既払控除(任意保険) ▲約180万円
最終金額 約1,750万円

※弁護士費用及び遅延損害金相当額

詳細

加害者の主張

①逸失利益

住み込みである原告は極めて収入が少ないので、中卒の平均賃金430万円よりもさらに低い金額を基礎収入として計算すべき。

②過失

被害者側に20%の過失あり。

裁判所の判断

・当事務所は、手首の機能障害は板前としての今後の仕事に大変深刻な影響を与えることを丁寧に立証した上で、基礎収入は平均賃金530万円を使うべきだと反論。その結果、裁判所は中卒の平均賃金である430万円で計算したものの、障害等級が12級でありながら就労可能期間42年間分全ての休業損害を認めた。

・慰謝料は、傷害と後遺症合計で550万円という高額が認められた。

・過失についても原告側はあくまでもゼロを主張。その結果、裁判所は10%と判断した。

当事務所のコメント

①12級の場合、就労可能期間は10年から12年しか認めないのが一般的なので、67歳まで全期間について認めた判決であり、この点については大変評価される。

②住み込みの場合、実際に支払われる賃金は月額15万円位で極めて少ないが、食費や住居費は雇い主負担であり実質は賃金と同じなので、これらと合計して収入とすべきであり、これが認められた事案。

③12級の障害の場合、示談交渉では総額で700~800万円という提案がなされる場合が多いが、本件では訴訟にした結果、12級でありながら総額2,000万円(自賠責込)という極めて高額の賠償金が獲得できた。等級的には軽い障害でも、それぞれの仕事に及ぼす影響の大きさを丁寧に立証することが大切である。