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非接触主張を骨折形態等の検証で逆転|遷延性意識障害|交通事故

東京高裁 【一審】さいたま地裁管内

■遷延性意識障害(判例003)
■後遺障害等級:1級 確定年:2004年
■東京高裁 【一審】さいたま地裁管内

被害者の状況

①1歳・女児
② 母親の自転車が歩道から車道に出ようとした際に転倒し、幼児用補助椅子に同乗していた1歳女子と、タクシーが接触
③ 頭蓋骨骨折、外傷性脳挫傷、四肢麻痺、排泄障害等1級

認められた主な損害費目

将来介護料 約7,400万円
逸失利益 約3,900万円
住宅改造費 約1,100万円
後遺障害慰謝料 約2,800万円
近親者慰謝料 約200万円
その他 約1,400万円
約1億6,800万円

(過失相殺40%控除後約1億100万円)

詳細

加害者の主張

被告側は工学鑑定書まで添えて「そもそも自車と女児の頭部は接触していない。頭蓋骨骨折は地面で打ったことが原因だ。よって、タクシーに過失はない」と主張。

裁判所の判断

①本件では、頭部骨折がタクシーの接触による事故かが問題となった。
当事務所は信頼できる主治医の協力などを得て「頭蓋骨の骨折形態は車の運動によるもので、単に路面で打ったものではない」という事実を立証。結果的に裁判所もそれを認め、高裁は被告側に60%の過失があったと認定した。

②1歳女児の「逸失利益」の計算に男女平均賃金(494万円)を判決の中で認めたことは、特に注目すべきである。つまり、幼児が被害者となった場合でも、男女平均賃金を採用するという方向性を本件は裏打ちしたことになる。

③「将来介護料」については、事故時に両親が共働きをしていたことで、介護する母親が67歳になるまでは週5日の職業介護人による介護料1万2,000円と週2日の家族介護料8,000円が、母親が67歳以降は、年間を通して職業介護人による介護料12,000円が認められた。

④将来予定されている住宅改造費や雑費についても、今は幼児であるが将来成長することから、必要となる旨を立証したところ、裁判所では約2,000万円認められたのも画期的なことである。

母親が67歳まで 母親が67歳以降
平日 年240日 祝日休日 年125日 年間365日
・職業介護人日額 1万2,000円 家族介護人日額 8,000円 職業介護人日額 1万2,000円

当事務所のコメント

①事故と怪我との因果関係をはっきりさせたことによって、相手の無責の主張を覆して被告側に6割の過失が認められた。

②当事務所によって、頭部骨折につきまず分析を行い、これを証拠として裏打ちしてくれる信頼できる医師との連携がよい結果を生みだした好事例である。