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介護経験者母親の在宅介護を高裁判断|遷延性意識障害|交通事故

名古屋高裁【一審】岐阜地裁

■遷延性意識障害(判例004)
■後遺障害等級:1級 確定年:2006年
■名古屋高裁【一審】岐阜地裁

被害者の状況

①17歳・男性
② 点滅信号のあるT字交差点を横断中の自転車に、直進の普通乗用車が衝突
③ 遷延性意識障害、四肢麻痺1級(1級1号)

認められた主な損害費目

将来介護料 約1億円
逸失利益 約9,700万円
住宅改造費 約1,200万円
将来雑費 約900万円
車椅子代等 約700万円
後遺障害慰謝料 約3,000万円
近親者慰謝料 約800万円
その他 約1,300万円
約2億7,600万円

(過失相殺25%控除後 約2億900万円)

詳細

加害者の主張

本件では、自宅で介護を行うにつき、事故前は職業を有していた母親につき、再就職に伴う職業介護人の必要生を認めるか否かが問題となった。第一審は、母親の再就職の必要性を認めず、あくまでも日額1万円の家族介護という判断になっていたため、原告側は控訴。

裁判所の判断

①当事務所は母親自身の就労への意欲と在宅介護の必要性、即ち母親の仕事中は職業介護の必要性を改めて主張した。その結果、高裁では母親の就労を認め、日額1万8,000千円の職業介護人を認める画期的な判決となった。

②住宅改造費や車椅子、車両改造費、介護リフト、介護ベッドなどの費用が請求どおり全額認められた。

③将来雑費は余命期間全てにおいて、月額3万5千円が認められた。

④男子学歴計全年齢平均賃金を基礎収入とする逸失利益が全期間認められた。

⑤慰謝料については、家族の悲しみと苦労を十分に立証した結果、本人の後遺障害慰謝料3,000万円、両親の慰謝料800万円と、合計3,800万円の高額な慰謝料が認められた。

・母親が67歳まで・母親が67歳以降、原告の余命まで
平日 年240日 祝日休日 年125日 年間365日
職業介護人日額 1万8,000円 家族介護人日額 1万円 職業介護人日額 1万8,000円

当事務所のコメント

①件で最大の争点は、母親の就労と将来介護料についての考え方だった。裁判では、介護にあたっていた母親の復職を前提に、職業介護人による将来介護料を請求したが、一審では認めなかったので、原告側は控訴した。その結果二審では、当初の主張が全て認められた。

②我が子の事故によって、親の人生まですべてあきらめる必要はない。当事務所は家族の思いにも寄り添い、きめ細やかな立証を行っている。本件では二審で母親の就労への希望が認められ、ご家族には大変喜ばれた事例である。