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余命短いの被告主張を覆す|遷延性意識障害|交通事故 弁護士

名古屋高裁管内(和解)

■遷延性意識障害(判例007)
■後遺障害等級:1級1号 確定年:2008年
裁判所認定額 約1億4,400万円
弁護士交代
■名古屋高裁管内(和解)

裁判所認定額 約1億4,400万円
弁護士交代

被害者の状況

①21・男性(会社員)
② 乗用車同士による交差点内の出会い頭衝突事故(信号の色が問題となる)
③ 原告は脳挫傷を負い、遷延性意識障害。1級1号

認められた主な損害費目

将来介護料 約9,000万円
逸失利益 約9,600万円
住宅改造費 約1,000万円
介護備品費用 約1,200万円
介護雑費 約1,000万円
慰謝料 約3,200万円
その他
約2,300万円
小計
約2億7,300万円
過失5%控除
約2億5,900万円
自賠責保険控除 ▲約3,000万円
人身傷害保険控除 ▲約9,000万円
弁護士費用 約500万円
損害賠償請求額 約1億4,400万円
   
近親者慰謝料 約300万円
弁護士費用 約30万円
近親者慰謝料計 約330万円

(人身傷害保険と無保険車傷害保険を併用)

詳細

加害者の主張

①事故状況について「双方が赤信号で交差点に進入した」と主張。よって過失は5:5である旨主張された。

②余命について被告側の損保会社は「寝たきり者の平均余命は統計的に短いため、介護期間は10~15年間とすべきだ」と主張。

裁判所の判断

①事故状況に争いがあったところ、前任の弁護士は、赤対赤はやむなしという判断であった。そこで当事務所がかわって対応することとなった。

②当事務所は意識のない被害者に代わって実況見分調書を読み込み、さらに徹底的な現場調査を行った。その結果、被告側の供述に数々の矛盾があることを発見。裁判でその点を指摘しかつ、証人尋問でもこのことを明らかにした。その結果、被告側の赤信号無視が認められ、原告側の過失は5%に抑えることができた。

③被害者は症状固定時24歳の男性で、本来なら平均余命まで55年あるとすべきである。そこで当事務所は、これまでに獲得してきた判例などをもとに徹底的に反論したところ、裁判所は平均余命までの期間を全て認め、55年分の介護費用と逸失利益を認めた。

④遷延性意識障害となった被害者は、母親の手によって在宅介護を受けていた。その負担の重さと将来の職業介護人の必要性を緻密に立証したところ、日額1万6,000円という高額な職業介護料が認められた。

当事務所のコメント

①本件は加害者の主張の矛盾を実況見分調書と供述調書から指摘し、現場調査も徹底的に行った上で、証人尋問も行い、加害者側の信号が全赤であったことを立証し、被害者側の過失割合を大きく引き下げることに成功した。交差点内の事故の場合、信号の色は過失割合に大きな影響を及ぼす。物言えぬ被害者の代わりに、最後まであきらめないことが肝心である。

②遷延性意識障害者の余命については、損保側が10~15年と主張してくるケースがよくみられるが、最近の判例では平均余命までの期間を全て認めることが一般化している。裁判ではそのことをしっかり主張することが重要である。

③将来介護料については、自宅介護の場合には、職業介護人の必要性を厳密に立証すべきである。