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介護する母親に休息認め高額和解|遷延性意識障害|交通事故

東京地裁管内 (和解)

■遷延性意識障害(判例009)
■後遺障害等級:1級1号 確定年:2008年
裁判所認定額 約3億円
■東京地裁管内 (和解)

裁判所認定額 約3億円

被害者の状況

①8歳・男児
② 青信号で横断歩道を横断中、信号無視の普通乗用車にはねられる。加害者は実刑
③ 遷延性意識障害、1級1号

認められた主な損害費目

将来介護費 約9,700万円
逸失利益 約6,800万円
住宅改造費 約1,000万円
介護リフト費用 約700万円
介護機器等 約1,900万円
将来治療費 約1,100万円
将来雑費
約1,100万円
後遺障害慰謝料 約2,800万円
近親者慰謝料
約800万円
その他 約1,900万円
損害額
約2億7,800万円
調整金※ 約6,800万円
総計
約3億4,600万円
既払控除 ▲約4,600万円
最終金額 約3億円

(※弁護士費用及び遅延損害金相当額)

詳細

加害者の主張

①将来介護料

介護者である母親が専業主婦なので、将来介護料は日額6,000円くらいが妥当。

②住宅改造費

新築した住宅につき、一般住宅と介護住宅の差額を請求したところ、介護住宅の差額が高すぎるとして否定。

裁判所の判断

①通常、介護者が専業主婦の場合、日額6,000円くらいの将来介護料で計算されがちだが、本件の場合、被害に遭った男児を介護していた母親は、事故をきっかけに過度のストレスと精神的疲労を訴えていた。そこで当事務所は、母親の介護にも休息が必要であり、介護には職業介護人が必要であることを立証した。

②その結果、裁判所は職業介護人の助けを借りることを認め、母親が67歳までは日額1万2,000円を、それ以降は職業介護人利用として日額2万円という高額な将来介護料を勝ち取ることができた。

③原告は被害者の介護を自宅で行うため、介護用の住宅を新築したが、通常住宅と介護住宅の差額が問題となった。加害者は、300万円で足りると主張したが、当事務所が専門家の意見をもとに細かく立証した結果、裁判所は「被害者利用分」として1,075万円全額を認めた。

当事務所のコメント

①専業主婦の将来介護料は低額で済まされてしまいがちだが、それぞれの家族の状況に応じて、介護に職業介護人の助けが必要であることを緻密に立証していくことが大切である。本件は正にその適例である。

②本件では結果的に67歳以降は職業介護人利用の2万円の介護料が必要であることを認めさせたが、当事務所は裁判の中で、それでもまだ不足であると強く主張し、将来介護料増額の議論を繰り返していた。裁判所はそうした主張も十分に汲み取った上で、調整金として弁護士費用と遅延損害金をほぼ満額認め、判決に匹敵する極めて高額の和解が成立した。