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損保紹介病院は不適格を立証し自宅介護認定|遷延性|交通事故

千葉地裁管内 (和解)

■遷延性意識障害(判例011)
■後遺障害等級:1級 確定年:2009年
裁判所認定額 約1億5,000万円
■千葉地裁管内 (和解)

裁判所認定額 約1億5,000万円

被害者の状況

①58歳・男性(会社員)
② 原告が道路横断中、前方不注視の普通乗用車が衝突。
③ 脳挫傷、遷延性意識障害1級

認められた主な損害費目

将来介護料 約5,900万円
逸失利益 約4,600万円
将来雑費 約1,300万円
住宅改造費 約1,200万円
将来介護器具費 約1,200万円
後遺障害慰謝料 約3,000万円
近親者慰謝料 約500万円
その他 約2,300万円
損害額
約 2 億 円
過失15%控除後損害額
約1億7,000万円
調整金※
約3,200万円
総計
約2億200万円
既払控除(任意保険)
▲約1,200万円
既払控除(自賠責)
▲約4,000万円
最終金額 約1億5,000万円

※弁護士費用及び遅延損害金(約3年分)相当額

詳細

加害者の主張

①衝突現場が横断歩道上ではなかったため、「歩行者の側にも20%の過失がある」と強く主張。

②相手側の損保会社は「自宅介護を認めない」と反論。5か所の介護病院のリストを提示し、病院療養費として1ヶ月 22万円を支払うという条件を出した。

裁判所の判断

①過失については、加害者は運転中にもかかわらず、テレビやラジオなどの操作に気を取られたという事実があったため、これも強く主張したところ、裁判所は被害者の過失を15%と認定。

②被害者側は、あくまでも「自宅介護」を前提に住宅改造の準備をしていたが、損保側はこれを完全否定してきた。これに対し当事務所は、療護センターの医師から先に「自宅介護可能」という意見を入手した上で、損保が提示してきた介護病院を全て訪問し、本件のような重度の障害者の介護はいずれも入院不可能な病院であることを立証した。その結果、裁判所は「自宅介護は可能」という前提で、住宅改造費の差額分1,260万円のほか、職業介護と家族介護、平均で日額1万7,000円の介護費用を認めた。

③和解という迅速な解決だったが、近親者含め3,500万円という高額な慰謝料と、3,200万円というきわめて高額の調整金(弁護士費用および遅延損害金)が認められた。

④58歳の男性かつ15%の過失有にも拘らず、合計2億200万円という高額な賠償金となった。

当事務所のコメント

①大半の損保会社は、遷延性意識障害の被害者に対して自宅介護を否定し、介護型病院での療養を勧めてくる。しかし、現実には遷延性意識障害者を受け入れられる病院は少なく、あったとしても長期入院は不可能だ。当事務所はそれを立証するために、損保側が紹介してきた全ての病院を訪問調査するという地道な立証を行い、相手側の主張を覆した。

②また、自宅介護のメリットも十分に立証した事案である。