高次脳7級を紛争処理センターで大幅増額|交通事故 弁護士
■高次脳機能障害(判例058)
■後遺障害等級:7級 確定年:2010年
  
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被害者の状況
①30歳・女性(会社員)
  ② 自転車で渋滞路わきを走行中、信号のない交差点で右方(渋滞路のすき間)から出てきた自動車と衝突
③ 脳挫傷による高次脳機能障害7級
④ 事故後、被害者は元の職場に復帰したが、雇用主の厚意や周囲のサポート、本人の努力でなんとか仕事を続けている状態だった。
認められた主な損害費目
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 逸失利益  | 
 約3,180万円  | 
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 休業損害  | 
 約137万円  | 
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 傷害慰謝料  | 
 約188万円  | 
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 後遺障害慰謝料  | 
 約1,000万円  | 
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 その他  | 
 約224万円  | 
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 損害額  | 
 約4,729万円  | 
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 過失15%控除後損害額  | 
 約4,048万円  | 
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 既払控除(任意)  | 
 -約348万円  | 
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 既払控除(自賠責)  | 
 -約1,051万円  | 
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 最終金額  | 
 約2,649万円  | 
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 参考:本人の受取額  | 
 
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 自賠責  | 
 1,051万円  | 
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 紛争処理センター  | 
 2,649万円  | 
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 自家用車の人身傷害特約  | 
 638万円  | 
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 受取額の合計  | 
 4,338万円  | 
詳細
加害者の主張
①示談金額として、後遺障害分1,051万円に100万円をプラスする(自賠責の7級と全く同じ金額)
②示談金を増額する場合、被害者の基本過失20%をマイナスする
③逸失利益については、本人が働いているので750万円が妥当
④慰謝料については、傷害と後遺障害込みで400万円程度が妥当
紛争処理センターの判断
①被害者自身が早期解決を要望していること等を勘案した当事務所は、まず自賠責に被害者請求をおこない1,051万円を先行取得。この時点で先方主張額は取得済みとなった。その上で、東京の紛争処理センターに申し立てた。
②被害者の過失割合については、相手側の20%主張に対し、あくまでもゼロ主張で反論したところ、結果は15%になった。
③逸失利益については、就労しているものの雇用主の厚意でかろうじて働けていること等を丁寧に立証し、7級(喪失率56%)と女子平均賃金を元に3,180万円を請求した結果、請求通りが認められた。
④後遺障害慰謝料に対して当事務所は1,300万円の主張をした結果、相手方の主張を退け1,000万円が認められ、総額1,188万円となった。
⑤結果的に紛争処理センターでは、被害者側の主張が大幅に受け入れられ、自賠責込みで3,800万円(紛セ2,649万円+自賠責1,051万円)の金額が認容。実に損保提示額の3.5倍を超す結果を得ることができた。
当事務所のコメント
①被害者の過失は15%とされたが、自身の自動車保険に人身傷害特約をかけていたため、15%相当分である638万円の支払いをこの保険から受けることができた。これは、日ごろから積み上げてきた当事務所の人身傷害特約のノウハウを活用したもので、最終的に4,332万円(提示額の4倍)にまで引き上げる結果となった。
②大阪の事案をあえて東京の紛争処理センターに申し立てたことで、弁護士の交通費や日当の負担も発生せず、結果的に受任から11ヶ月という短期間で解決することができた。紛争処理センターを利用して、訴訟とほぼ同じ結果を得た好事例で、依頼者には大変喜んでいただけた。
