飛び出し65%過失を10%に逆転|高次脳機能障害|交通事故
東京地裁管内 (和解)
■高次脳機能障害(判例071)
■後遺障害等級:2級 確定年:2010年
■東京地裁管内 (和解)
被害者の状況
①27歳・男性(契約社員)
② 信号のない交差点を徒歩にて横断中、左方からの被告車両が衝突。
③ 脳挫傷による高次脳機能障害2級 意識障害あり
認められた主な損害費目
将来介護料 |
約7,400万円 |
---|---|
逸失利益 |
約5,100万円 |
傷害慰謝料 |
約340万円 |
後遺障害慰謝料 |
約2,570万円 |
近親者慰謝料 |
約200万円 |
その他 |
約1,490万円 |
損害額 |
約1億7,100万円 |
過失10%控除後損害額 |
約1億5,400万円 |
調整金※ |
約2,300万円 |
総計 |
約1億7,700万円 |
既払控除(任意) |
-約900万円 |
既払控除(自賠責) |
-約3,000万円 |
最終金額 |
約1億3,800万円 |
(※弁護士費用及び遅延損害金相当額)
詳細
加害者の主張
①過失については、動画を使うなどして、被害者の飛び出しを徹底的に立証。その上で、被害者側に65%の過失があったと主張
②逸失利益については、被害者が契約社員だったことから、平均賃金でなく実年収の240万円を使うべきである
③将来介護料については、身体的な介護は不要であるため認められるとしても極めて限定的な額せいぜい日額3,000円程度にとどまる
裁判所の判断
①過失割合について当事務所は事故現場の状況、日頃の交通事情などもふまえ、相手側に前方不注視の過失があったことを徹底的に主張、立証、また、動画についても実情と異なることを証明。その結果、裁判所は被害者の過失を10%と判断し、過失割合に関しては大逆転となった。
②逸失利益について当事務所は、「被害者はまだ27歳と若いため、将来の可能性を考えて平均賃金を使うべきだ」と主張したところ、裁判所は実収入の2倍近い、平均賃金の80%(=440万円)を基礎収入と認めた。
③将来介護料について当事務所は、被害者の両親が高齢のため介護が大変であることを徹底的に主張。それを受けた裁判所は、母親が67歳までは日額6000円、それ以降は職業介護人日額1万4000円を認めた。
④逸失利益の算出に用いる基礎収入も、440万円という金額が認められ、結果的に、2級の賠償額としては高額な1億7,100万円(過失相殺前)という金額で和解をすることができました。
当事務所のコメント
①被害者は高次脳2級だったが、実際にはかなり症状が重く、高齢の親にとって介護は大変な負担となっていた。当法律事務所はそうした現実をしっかりとヒアリングし、母親の陳述書で具体的に立証。また、医療記録も精査した上で裁判所に証拠提出し、職業介護人の利用も含め、高額な将来介護料を認めさせることに成功した。依頼者には大変喜んでいただけた事案である。
②過失についても、詳細な立証で大逆転した。